ママ税理士FPの家づくりマネー講座

油谷(あぶらたに) 奈津紀(なつき)
  • 税理士
  • ファイナンシャル・プランナー(CFP®
  • 隙間時間捻出アドバイザー
税金&家計クリニック あぶらたに事務所 http://abura-office.com/ 事務所facebook、隙間時間捻出塾facebook
もやっています。

  • ・大学卒業後、税理士事務所に勤務しながら税理士夜間講座に通い税理士受験、その後税理士講座(法人税法)講師、出産などを経て税理士試験最終合格。
  • ・税理士受験時代からファイナンシャル・プランナー(FP)業務に興味を持ち、AFP取得。その後妊娠中・産後にFPの国際資格であるCFP試験に合格、CFP®登録。
  • ・現在は税理士として、法人・個人事業者の記帳指導・税務申告、個人の方の所得税や相続税贈与税の税務申告・生前対策等の相談のほか、FPとして家計相談やライフプランニングも受ける。また、出産育児をしながら税理士試験合格・開業した経験を基に、隙間時間捻出アドバイザーとして時間管理相談・起業相談・資格取得相談・スキルアップ相談等も受ける。
    そのほか各種セミナー・講演活動、執筆活動を行い、特にお子様連れでも参加できるマネーセミナー「マネーサロン*ブラウニー*」や、女性が育児しながら仕事や家事を両立するための時間管理術セミナー「女性のための隙間時間捻出塾」は随時開催。

第7回 『住宅ローン講座②』

皆さん、こんにちは。段々秋めいてきましたね。
今回も前回に引き続いて、住宅ローンの基礎知識について見ていきたいと思います。

前回見てきたように、住宅ローンを利用する際にポイントとなるのは「金利」「借入期間」「借入額」の3つでしたね。そして総返済額を抑えるためには、極力「金利を低く、借入期間を短く、借入額を少なく」するのが大切となります。前回はこの3つのうち「借入額」について見てきましたが、今回は「金利」について見ていきます。



 1.金利タイプ


金利は、大きく分けると

の2タイプに分けられます。そしてそのほかに、多くの金融機関で見られる「固定金利選択(特約)型」というタイプなどもあります。


《固定金利型》
フラット35に代表されるように、ローンを完済するまで金利が変わらないタイプのローンです。

《変動金利型》
返済期間中の金利情勢の変化に応じて、金利が変化するタイプのローンです。金利は6か月ごとに見直しされます。ただ金利が上昇したからと言って、すぐに毎月の返済額が増えるわけではありません。返済額の変更は5年に1回、行われます。

毎月の返済額は変わらないまま、その中に占める利息分の金額が増えるので、元金返済に充てられる金額が少なくなります。つまり、ローン元本を返すスピードがゆっくりになります。また、金利が上がったとしても毎月の返済額はしばらく変わらないので、金融機関からのお知らせなどをしっかりチェックしていないと、金利が上昇したことを気付くにくいという注意点もあります。

《固定金利選択(特約)型》
当初の一定期間(通常は3年、5年、10年が多いですが、金融機関によって2年、15年、20年などもあります)を固定金利にするタイプです。

固定金利選択期間が終了した後は、変動金利型か、固定金利選択型を自由に選択することができます。適用金利は、その時点での金利が適用されることになりますので、その点はチェックが必要です。



 2.金利割引


金融機関のチラシなどで、「固定金利選択型3年 年0.○○%」と言った、1%を切るような金利の住宅ローンを見かけたことはありませんか。

多くの金融機関では、住宅ローン金利について割引を行っています。金融機関の店頭やホームページなどに、預金金利などと一緒に住宅ローンの変動金利型、固定金利選択型などの金利について書いてあることがありますね。これを「店頭表示(基準)金利」と言うのですが、チラシに大きく書かれている金利の多くは、この「店頭表示金利」から「金利割引」がされた後のものです。

金利割引をしてもらうには、

など、それぞれの金融機関によって条件(金利引き下げ条件)と割引率が決まっています。そのため、全ての方がチラシに書いてある金利で借りられるというわけではありません。「店頭表示金利」から、「金利引き下げ条件」に当てはまった分だけ「金利割引」をしてもらえるという仕組みです。

またこの「金利割引」は、当初の固定金利選択期間が終了した後も継続して行われる場合が多いのですが、当初の割引率よりは減る場合もあります。そのため、今現在の割引率だけでなく、当初の固定金利選択期間が終了した後の割引率も考慮することが大切です。



 3.今選ぶならどの金利タイプ?


一般的には、「金利の上昇局面では固定金利型を、金利の下降局面では変動金利型を選択するのがベター」と言われます。全期間固定金利型の代表であるフラット35は、平成27年8月時点での貸出金利が、多くの金融機関で1.6%前後となっています。多少上昇傾向ですが、過去の金利と比較すると低い金利です。

第4回コラム【将来の家計まで想定した住宅資金計画】で見てきたように、住宅資金計画は、今現在だけでなく将来の家計もシミュレーションした上で計画することが大切です。そういう意味で全期間固定金利型は、将来の住居費をハッキリと可視化できることもあり、現在の低金利状態においては魅力的な商品の1つと言えるでしょう。

ただ、自分の資金を沢山住宅資金に充てられる方や、第1回コラム【頭金はどのくらい必要?】でご紹介したような住宅資金の一部を親族から援助してもらったり、借りることのできる方の場合は、話がまた変わってきます。

自己資金が多い場合、場合によっては住宅ローンの必要額が少なくなり、借入期間も15年未満で済むことがあります。しかし、フラット35は基本的に借入期間が15年以上の場合が対象となります。そういう場合はフラット35を利用できないため、固定金利選択型をチョイスするのも1つです。固定金利選択型については、各金融機関が競って金利割引をしていますのでチェックしてみて下さい。

ここで1つ注意して頂きたいことがあります。第5回コラム【すまい給付金と住宅ローン控除】でもお話し通り、住宅ローン控除は借入期間が10年以上から受けられます。そのため、住宅ローンで借りようとする期間が10年前後の方は注意しましょう。



 4.ミックス返済とは


住宅ローンは、1人につき1本というのが基本です。ただ「ミックス返済」と言って、金利や返済期間を組み合わせて2本組むやり方もあります。全期間固定金利型で将来の安心も欲しいけど、固定金利選択型の金利も捨てがたいという場合、全期間固定金利型と固定金利選択型をミックスするというやり方です。ローンが2本あるので諸費用が少しかさみますし、金融機関によってミックス返済の仕組みが異なるという点は注意して下さい。それでも、ご家庭によっては使い勝手の良い場合がありますので、選択肢の1つにしてみて下さい。