ママ税理士FPの家づくりマネー講座

油谷(あぶらたに) 奈津紀(なつき)
  • 税理士
  • ファイナンシャル・プランナー(CFP®
  • 隙間時間捻出アドバイザー
税金&家計クリニック あぶらたに事務所 http://abura-office.com/ 事務所facebook、隙間時間捻出塾facebook
もやっています。

  • ・大学卒業後、税理士事務所に勤務しながら税理士夜間講座に通い税理士受験、その後税理士講座(法人税法)講師、出産などを経て税理士試験最終合格。
  • ・税理士受験時代からファイナンシャル・プランナー(FP)業務に興味を持ち、AFP取得。その後妊娠中・産後にFPの国際資格であるCFP試験に合格、CFP®登録。
  • ・現在は税理士として、法人・個人事業者の記帳指導・税務申告、個人の方の所得税や相続税贈与税の税務申告・生前対策等の相談のほか、FPとして家計相談やライフプランニングも受ける。また、出産育児をしながら税理士試験合格・開業した経験を基に、隙間時間捻出アドバイザーとして時間管理相談・起業相談・資格取得相談・スキルアップ相談等も受ける。
    そのほか各種セミナー・講演活動、執筆活動を行い、特にお子様連れでも参加できるマネーセミナー「マネーサロン*ブラウニー*」や、女性が育児しながら仕事や家事を両立するための時間管理術セミナー「女性のための隙間時間捻出塾」は随時開催。

第6回 『住宅ローン講座①』

皆さん、こんにちは。とうとう夏休みも終わり、ホッと一息という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このコラムもこれで6回目となりました。これまで住宅取得資金計画の基礎知識について見てきましたが、いよいよ今回から数回に渡って「住宅ローン」について見ていきたいと思います。

こういう仕事をしていると、「住宅ローンはいくら位借りればいいですか?」とよく聞かれます。この質問、一見簡単そうで実は一言で答えるのが難しい質問です。

「住宅ローンの年間返済額は、年収の25%程度」

こんな言葉、聞いたことはありますか?

これは、ファイナンシャル・プランナーのテキストなどにも出てくるもので、住宅ローン年間返済額の目安のようなものです。この目安は、住宅ローンを考える上で大事な指標の1つです。しかしご家庭によっては、この目安だけでローン返済額を考えると危険な場合もあります。

住宅ローンを利用する際にポイントとなるのが、「金利」「借入期間」「借入額」の3つです。

当たり前のようですが、総返済額を抑えるためには極力、

するのが大切となります。今回は、このうち「借入額」や「返済額」を検討する際、注意して頂きたい点について見ていきましょう。



 1.ボーナス返済を極力避ける


住宅ローンについては、毎月返済のほかにボーナス返済という返済方法がありますが、私自身はこのボーナス返済という方法については基本的にオススメしていません。

住宅ローンというのは一般的に、20年先・30年先などと言った長い期間に渡って付き合っていくものです。今現在はそれなりにボーナスが支給されていたとしても、それが将来に渡って確実に続くという保証はありません。また、第4回コラム【将来の家計まで想定した住宅資金計画】でもご紹介した通り、住宅資金計画は将来の家計も赤字とならないように計画するのが理想的と言えます。

そう考えると、「一般的に毎年もらえる金額が決まっているわけでない・将来もらえるかどうかも不確定」なボーナスという収入を充てにした住宅資金計画は、なかなか現実的な計画とは言えないわけです。こういったことから、住宅ローンの目安額については一部の例外を除いて、年収ベースではなく「月収ベース」でアドバイスさせていただくようにしています。



 2.額面給与額ではなく、手取り給与額で考える


住宅ローンの目安額だけでなく、「食費は収入の何%が理想ですか?」など色んな家計費の目安について普段からご質問を受けますが、この場合の「収入」について「額面給与額」で考えていらっしゃる方が結構いらっしゃいます。住宅ローンの目安額など「収入に対する家計費の目安」について計算する際は、「手取り給与額」で計算するようにして下さい。

会社によっては、社内貯金や互助会費、社内の商品購入費などが天引きされていて、額面金額では結構もらっているのに、手取り金額では随分と少ない会社もあるでしょう。その場合は最低限、

 社会保険料・・・健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料
 所得税
 住民税

と言った【税金・社会保障費】を額面給与額から差し引いた金額を、手取り給与額として計算してみて下さい。



 3.将来の家計まで見据えたシミュレーションにより、我が家サイズの借入額を!


上記1.2でみてきたことと冒頭でご紹介した目安を考慮して、住宅ローンの年間返済額の目安を考えると

手取り月収の25%程度×12か月

ということになります。手取り月収20万円の方なら毎月返済額は50,000円まで、手取り月収30万円の方なら毎月返済額は75,000円までということです。

ただ色んな方のご相談を受けて感じるのは、この25%という割合は全てのご家庭にとってピッタリという訳ではないということです。あるご家庭にとっては、家計に与える負担が大きく20%程度が適正割合ということもありますし、逆に30%程度でも大丈夫なご家庭もあります。

例えば、同じ手取り月収30万円のAさんとBさんとCさんがいたとして、Aさんはお子さまがいらっしゃらないご家庭、Bさんはお子さまが2人いらっしゃるご家庭で奥さまが働いていらっしゃる、Cさんはお子さまが1人いらっしゃるご家庭で奥さまが働いていらっしゃらない・・・といったように、家族構成は多種多様です。

お子さまがいらっしゃれば、保育園幼稚園からスタートして、お子さまによっては大学や大学院まで教育費は続きます。お子さまの人数によっても、教育費負担は変わります。そして、奥さまが正社員で働いていらっしゃる、パートで働いていらっしゃる、働いていらっしゃらない・・・などの違いにより、家計全体の収入も変わってきます。

このように、家計というのはご家庭の数だけ多種多様です。そのため、第4回コラムでもご紹介したように、お子さまの教育費・ご自身の老後費までをシミュレーションした上で無理のない住宅資金計画をされることが一番大切になってくるわけです。

それでも、「いくら位まで返済できるか簡単に知りたい!」という方もいらっしゃるでしょう。そんな方のためにご紹介したいのが、以下の算式です。

 現在の年間家賃(駐車場代含む)+現在の年間貯蓄額=A

とします。そうすると、【年間返済額の目安】は

という算式から求めることができます。
さらに、これを基に【住宅ローンの借入額の目安】を出すと

となります。「借入額100万円あたりの返済額」については、ネットで色々と紹介されているのでご参照下さい。金利と返済期間は、何パターンか設定してみて下さい。返済期間については、出来れば60歳~65歳までの年数以内でやってみましょう。


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今回は、住宅ローンのうち「返済額」と「借入額」を検討する際、注意して頂きたい点について見てきました。今回ご紹介した算式は、あくまで無理のない返済額を【簡単に】計算するためのものです。実際に借入額や返済額をシミュレーションする際は、この算式を参考にしつつ、教育費や老後費など将来の家計まで想定した資金計画を立てた上でやってみて下さいね。