ママ税理士FPの家づくりマネー講座

油谷(あぶらたに) 奈津紀(なつき)
  • 税理士
  • ファイナンシャル・プランナー(CFP®
  • 隙間時間捻出アドバイザー
税金&家計クリニック あぶらたに事務所 http://abura-office.com/ 事務所facebook、隙間時間捻出塾facebook
もやっています。

  • ・大学卒業後、税理士事務所に勤務しながら税理士夜間講座に通い税理士受験、その後税理士講座(法人税法)講師、出産などを経て税理士試験最終合格。
  • ・税理士受験時代からファイナンシャル・プランナー(FP)業務に興味を持ち、AFP取得。その後妊娠中・産後にFPの国際資格であるCFP試験に合格、CFP®登録。
  • ・現在は税理士として、法人・個人事業者の記帳指導・税務申告、個人の方の所得税や相続税贈与税の税務申告・生前対策等の相談のほか、FPとして家計相談やライフプランニングも受ける。また、出産育児をしながら税理士試験合格・開業した経験を基に、隙間時間捻出アドバイザーとして時間管理相談・起業相談・資格取得相談・スキルアップ相談等も受ける。
    そのほか各種セミナー・講演活動、執筆活動を行い、特にお子様連れでも参加できるマネーセミナー「マネーサロン*ブラウニー*」や、女性が育児しながら仕事や家事を両立するための時間管理術セミナー「女性のための隙間時間捻出塾」は随時開催。

第4回 『将来の家計まで想定した住宅資金計画』

こんにちは。もうすぐ夏本番ですね。海や山など楽しいプランを考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。



旅行やレジャーなど、将来の楽しい計画を立てるのってワクワクしますよね。今回は住宅取得資金を計画する際に是非立ち止まって考えてもらいたい、「将来の家計まで想定した住宅資金計画」について見ていきます。

皆さんは「ライフプラン」という言葉はご存知でしょうか。ライフプランとは、自分の夢や目標などを基にした人生設計、つまりは「こういう風にして一生を送りたいな・・・」とご自分が思い描く生涯設計のことです。

人生は、就職・結婚・子供の誕生・住宅取得・子供の進学や結婚・老後生活・・・など様々な出来事(ライフイベント)の繰り返しですよね。ライフプランの実現のためには、こういったライフイベント時に起きうるであろう資金ニーズを踏まえた資金計画(マネープラン)が必要となってきます。

「住宅取得資金」 「教育資金」 「老後資金」と言った「人生の3大必要資金」が必要になる時期の方は、特にこういった「将来まで見据えたマネープラン」を作ることが大切です。ここからは、簡単にできるマネープランの作り方を見ていきましょう。



1.ライフプラン表で未来を視覚化してみましょう

マネープランを作る際に私がお勧めしているのが、上記に書いたライフプランをまずは、ライフプラン表などの一覧表にしてみることです。「家を建てたいけど、今の状態じゃ無理かなあ・・・」というような、まだ「夢段階」のものも欲張りに書いてみましょう。書き始めると、何だかワクワクしてきますよね。そして夢や目標のためには、お金も結構必要だということが見えてくるかと思います。



2.現在の家計状況を把握しましょう

ライフプランが見えてきたら、次はマネープランを作ってみましょう。まずは、現状の家計状況を把握してみましょう。家計簿をつけていらっしゃる方はすぐに出来ますね。つけていらっしゃらない方も、携帯電話でレシートを撮影すると家計簿に反映してくれる便利なアプリもありますから、そういった便利ツールを使うなどして1、2か月ほど簡単な家計簿をつけてみて下さい。そして年間収支表などに、年間収入と年間支出を記入してみましょう。

さあどうでしょうか?年間収支表を記入すると「年間収支は黒字なのに、なぜか貯蓄はできていない・・・」「こんなに我が家は赤字なの!?」など、皆さん感想は様々でしょう。

年間収支表上では黒字なのに貯蓄ができていないという場合は、もしかしてカード支出や口座振替になっている支出などが抜けているかもしれません。もう一度それらを見直してみて下さい。また赤字の認識がなかったのに、年間収支表は赤字という場合には、カード払いなどでその赤字状況に気付いてないこともあります。

年間収支表で我が家の収支状況を把握した後は、バランスシートも作ってみましょう。バランスシートとは、現在の現預金や借入など、我が家の資産や負債を一覧にした表のことです。「企業の貸借対照表を家庭版」にしたものと言ったところです。

バランスシートを作ることにより、「思ったより貯蓄できている」「貯蓄は多いけど、負債も結構あるな・・・」など、年間収支表では見えてこなかった我が家の体力のようなものが見えてくるかと思います。

家計管理と言うと、多くの方は家計簿などの収支ベースに目が行きがちです。しかし、将来の様々なライフイベントを実現するためには、「現在どれ位の資産や負債が我が家にあるのか」を把握する事が大切です。それにより、「今はまだまだ貯めどき」「これだけ貯蓄もあるし、住宅ローンの繰上返済を考えようかな」など、将来のライフプランに向かった、より具体的なマネープランが見えてくるでしょう。



3.未来の年間収支をシミュレーションしてみましょう

現状の家計状況を把握したら、次は未来の家計状況をキャッシュフロー表などに書いてみましょう。 例えば今、あなたが35歳でお子さんがいらっしゃり、将来のマイホーム取得を考えてキャッシュフロー表を作成されるのであれば、お子さんの教育費がなくなり、かつ定年後の老後生活を送っているであろう、70歳位までの35年位を計算してみると良いかもしれません。

さてどうでしょうか?未来の皆さんの家計は、順調に黒字状態でしょうか。キャッシュフロー表を初めて作成して、最初から黒字という方はそんなに多くないでしょう。もちろん未来が黒字か赤字かを把握することも必要ですが、それ以上にこの表を見る上で大切なのは「どの時点で赤字になるか?」を把握することです。「お子さんの進学時」「お子さんの結婚時」「住宅取得時」「退職時」「車買換え時」・・・など、一般的に赤字となりやすい時期をどう乗り切るかを考えるのが一番の目的です。



4.対策を立ててみましょう

これらのマネープランを作ることにより、それぞれ課題が見えてきたと思います。例えば、来年マイホーム取得を考えているAさんは、キャッシュフロー表により、子供進学時に大きな赤字となることが把握できたとします。

その赤字となる時期の様々な支出を見てみると、住居費が多いことが読み取れました。住居費の大半を占める住宅ローンは、現状の収入や家族形態(ex.子供が小学生であまり教育費がかからない等)に基づいて、シミュレーションしていました。ということは、今検討している住宅ローンは、現状の家計にとっては丁度良い金額ですが、将来まで考えると検討の余地があるということになるわけです。

「住宅ローンで借りる金額を減らす」「住宅ローンの金利や期間を見直す」「住宅ローンはこのままにして、子供進学時まで、もう少し貯蓄を増やす・保険で備える」・・・など、色々考えられるでしょう。後者のように、もう少し貯蓄を増やしたり、保険を新たに加入するといった場合には、現状より収入を増やすか、支出を減らす必要が出てくるでしょう。

収入を増やすならば、奥さまが働いたりご主人の就労形態を見直すといったことが考えられるでしょう。支出を減らす場合にはつい、食費や消耗品費・・・など、日々の流動費を節約することに目が行きがちです。もちろん、これらの物も無駄を省くに越したことはないですが、お子さんの成長を考えると難しい面もあります。

通信費や水道光熱費、保険料などが大きなウエイトを占めているご家庭はありませんか。通信費は、一般電話代・携帯電話代・ネット代・テレビ加入料などです。最近はスマートフォンの普及や、娯楽の多様化により、通信費が多めのご家庭が増えてきています。請求書もweb上で閲覧する形式の会社が多く、通帳から引き落とされている金額をしっかり把握していないご家庭も多いのではないでしょうか。しかし極力、毎月の通信費の把握をし、時折ショップや各社サイトなどで料金プランの見直しをすることで、食費などを削る以上の効果が得られることもあるでしょう。


また保険については、どういう内容の保険に加入しているか、しっかりと把握していないご家庭もあるかもしれません。保険のニーズは、家族形態の変化・住環境の変化・ライフスタイルの変化等に応じて、刻々と変わっていくものです。こちらも、定期的に保険証券を出してきて、今のニーズに合致した保険内容かチェックするようにしてみましょう。


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以上のように、現在だけでなく、将来までを見通したライフプランとマネープランを立てることで、今まで漠然と「家を建てたいな・・・」と思われていた方も、その夢がより現実的になると思います。

日本FP協会のホームページなどに、今回ご紹介したキャッシュフロー表などの便利ツールがあります。私達ファイナンシャル・プランナーも、皆さんのライフプランやマネープラン作成のお手伝いをしていますので、なかなかご自分で作るお時間がないという方はご利用してみて下さい。

マイホームを考え始めている方は特に、休日などを使って、是非ライフプランとマネープランを作ってみて下さいね♪