ママ税理士FPの家づくりマネー講座

油谷(あぶらたに) 奈津紀(なつき)
  • 税理士
  • ファイナンシャル・プランナー(CFP®
  • 隙間時間捻出アドバイザー
税金&家計クリニック あぶらたに事務所 http://abura-office.com/ 事務所facebook、隙間時間捻出塾facebook
もやっています。

  • ・大学卒業後、税理士事務所に勤務しながら税理士夜間講座に通い税理士受験、その後税理士講座(法人税法)講師、出産などを経て税理士試験最終合格。
  • ・税理士受験時代からファイナンシャル・プランナー(FP)業務に興味を持ち、AFP取得。その後妊娠中・産後にFPの国際資格であるCFP試験に合格、CFP®登録。
  • ・現在は税理士として、法人・個人事業者の記帳指導・税務申告、個人の方の所得税や相続税贈与税の税務申告・生前対策等の相談のほか、FPとして家計相談やライフプランニングも受ける。また、出産育児をしながら税理士試験合格・開業した経験を基に、隙間時間捻出アドバイザーとして時間管理相談・起業相談・資格取得相談・スキルアップ相談等も受ける。
    そのほか各種セミナー・講演活動、執筆活動を行い、特にお子様連れでも参加できるマネーセミナー「マネーサロン*ブラウニー*」や、女性が育児しながら仕事や家事を両立するための時間管理術セミナー「女性のための隙間時間捻出塾」は随時開催。

第11回 『火災保険と地震保険』

皆さん、こんにちは。
まだまだ寒い日が続きますが、皆さん、風邪などひいていらっしゃらないでしょうか。

今回は、マイホームには欠かせない「火災保険と地震保険」について見ていきます。

 火災保険


火災保険とは、火災やその他の災害によって、建物や家財などに損害を生じた際に、補償することを目的とした保険です。保険会社や保険の種類によって補償範囲は様々で、補償内容を拡げたり、特約をご自分でチョイスできる商品もあります。

火災保険は、建物を対象とするものと家財を対象とするものがあります。家財とは、テレビや冷蔵庫などの家電製品、食器棚やベッドなどの家具、洋服やバッグ、時計・アクセサリー(30万円超の貴金属や書画などは補償されない場合もあります)など様々な動産です。家財保険は例えば、落雷でテレビが壊れたような場合でも補償対象となります。賃貸住宅にお住まいの場合は、家財の火災保険だけ加入することになります。


建物の火災保険はしっかり検討される方でも、家財の火災保険についてはしっかり検討されていない方もいらっしゃるでしょう。保険会社のサイトやパンフレットには、標準的世帯の家財評価額の目安が示されています。ただ、こちらは総務省の「家計調査」などを基に示されています。あくまでも参考にしながら、ご自身のライフスタイルに合わせて家財の保険金額を検討してみて下さい。

1. 火災保険の種類

火災保険には大きく分けて、補償型(掛け捨て型)のもの満期返戻金が支払われる積立型のものがあります。補償型(掛け捨て型)の火災保険で代表的な「住宅総合保険」と「住宅火災保険」の一般的な補償内容は以下の通りです。
住宅総合保険は、個人賠償責任担保特約や借家人賠償責任担保特約などを付けて、火災保険以外の日常生活に対応した補償に拡大することもできます。

2. 隣家からのもらい火は請求できない!?

隣家から「もらい火」をした場合について定めた法律に、「失火責任法」というものがあります。失火責任法とは明治32年に定められた法律で、「失火の場合、失火者に重大な過失がなければ失火者に対し損害賠償請求はできない」という内容となっています。隣家からもらい火をして自宅が焼失した場合に、隣家へ損害賠償請求が当然できると考えがちですが、失火してしまった隣家に重大な過失がない場合は、隣家に損害賠償請求はできません。
重大な過失とは、「天ぷら油の鍋を火にかけたまま、その場を離れて出火した」ような場合などです。

お隣からもらい火をして自分の家が焼失した場合は、基本的に損害賠償請求はできませんので、こういった面からも火災保険はきちんと入っておきたいものです。

では、ご自分の失火により隣家を延焼させた場合はどうなるでしょう。重大な過失がなければ法律的には、隣家へ損害賠償する必要はありません。しかしご近所とのお付き合いなどを考えると、そうもいかないこともあります。そういったことに備えて、「失火見舞費用保険金」や「類焼損害補償特約」といった特約を用意している商品もあります。また、重大な過失があった場合について、「個人賠償責任保険」により補償されるケースもありますのでご検討下さい。

ちなみに賃貸住宅の場合、上記の失火責任法について取り扱いが異なりますので、対象の方は気を付けて下さい。



 地震保険


地震保険は火災保険では補償されない、地震・噴火またはこれらによる津波が原因で家屋や家財に損害を生じた場合に保険金が支払われる地震専用の保険です。地震保険は単独で入ることはできません。火災保険に付帯する形、つまり火災保険とセットで入ることとなります。

1. 地震火災費用保険との違い

火災保険の中に、「地震火災費用保険」という補償があります。こちらについては、「地震等を原因とする火災により、建物ならば半焼以上、保険対象の家財ならば全焼した場合」に支払われるものです。支払われる金額は、火災保険金額の5%に留まります。しかも、地震等により建物が倒壊した後などに起きた火災による損害については支払われません。

地震保険に加入していない方の中には、この地震火災費用保険があるから加入しないというケースもあるかもしれませんが、地震により建物が全壊したような場合はこの地震火災費用保険からは支払われませんのでご注意下さい。

2. 地震保険の特徴

火災保険の契約期間の中途でも、地震保険の契約ができます。また全ての損害保険会社で入ることができるわけではなく、取り扱っていない会社もあります。

地震保険は「地震保険に関する法律」に基づき、政府と損害保険会社が共同で運営するという特殊な形態をとっていますので、火災保険と違ってどの保険会社で入っても同じ内容・同じ保険料となります。

地震保険の保険料は建物の構造ごと、地域ごとに料率が決められています。また地震保険の保険金額は、火災保険金額の30%~50%の範囲内で決めます。限度額は、建物が5000万円、家財が1000万円と決められています。

3. 地震保険の値上げ

東日本大震災が発生してから、今年の3月で5年となります。東日本大震災以前も火災保険に地震保険をセットする契約数はそれなりに増えていましたが、東日本大震災以後、地震保険加入数は更に増加しています。(一社)日本損害保険協会ホームページによると、平成25年度に契約された火災保険契約のうち、58.1%が地震保険付きの契約でした。

そんな中、平成29年1月から家庭向けの地震保険料の基準料率が全国平均で5.1%引き上げられる見込みです。その後も2回の値上げが予定されており、数年以内に全国平均で合計19.0%引き上げられる予定となっています。平成26年にも全国平均で15.5%引き上げられたばかりですので、家計に与える負担はより大きくなりそうです。

富山県における引き上げ幅は、木造家屋などの場合7.5%、マンションなど耐火性の高い建物の場合4.6%となる予定です。

4. 保険金の支払基準

地震保険では、保険対象である建物または家財が全損、半損、または一部損となったときに保険金が支払われます。

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今回は、マイホーム取得時及びマイホームを維持していく上で欠かせない支出の1つである、火災保険と地震保険について見てきました。

平成27年10月の改定により、今まで認められていた10年を超える火災保険の販売が停止されることとなりました。今までは最長で36年までの期間で火災保険に加入できましたので、住宅ローンの返済期間に合わせて加入するといったケースもありました。その場合、地震保険に加入しないならば、マイホーム取得時に火災保険料を一時払いすることで、火災保険負担を考えずに資金計画を立てることができました。しかし、今後は少なくとも10年に一度、火災保険負担を考える必要が出てきます。(なお自動継続特約が新設されましたので、例えば住宅ローン期間が30年なら「10年×3回」という形で自動継続することはできます。)

火災保険や地震保険の負担は、マイホームを持つ上で欠かせない支出であり、金額もそれなりにかかるものです。しっかりと検討して、マイホーム資金計画に役立てて下さい。