ママ税理士FPの家づくりマネー講座

油谷(あぶらたに) 奈津紀(なつき)
  • 税理士
  • ファイナンシャル・プランナー(CFP®
  • 隙間時間捻出アドバイザー
税金&家計クリニック あぶらたに事務所 http://abura-office.com/ 事務所facebook、隙間時間捻出塾facebook
もやっています。

  • ・大学卒業後、税理士事務所に勤務しながら税理士夜間講座に通い税理士受験、その後税理士講座(法人税法)講師、出産などを経て税理士試験最終合格。
  • ・税理士受験時代からファイナンシャル・プランナー(FP)業務に興味を持ち、AFP取得。その後妊娠中・産後にFPの国際資格であるCFP試験に合格、CFP®登録。
  • ・現在は税理士として、法人・個人事業者の記帳指導・税務申告、個人の方の所得税や相続税贈与税の税務申告・生前対策等の相談のほか、FPとして家計相談やライフプランニングも受ける。また、出産育児をしながら税理士試験合格・開業した経験を基に、隙間時間捻出アドバイザーとして時間管理相談・起業相談・資格取得相談・スキルアップ相談等も受ける。
    そのほか各種セミナー・講演活動、執筆活動を行い、特にお子様連れでも参加できるマネーセミナー「マネーサロン*ブラウニー*」や、女性が育児しながら仕事や家事を両立するための時間管理術セミナー「女性のための隙間時間捻出塾」は随時開催。

第12回 『相続税も見据えたマイホーム計画を~二世帯住宅の方は特に注意したい税金知識~』

皆さん、こんにちは。 相続税の【基礎控除額】が「5000万円+1000万円×○人(相続人の数)」から「3000万円+600万円×○人(相続人の数)」に下がってから1年あまりが経ちました。

例えば相続人3人の場合、平成26年までは8000万円を超えた財産を残して亡くなると相続税の対象となっていましたが、平成27年からは4800万円を超えた財産を残して亡くなると相続税の対象となります。

相続税の対象となる方が増えたことで、相続への関心は高まっています。相続税を計算する際に、マイホーム用の土地を相続すると最大で80%まで土地の評価額を減額してもらえる特例があります。「小規模宅地等の減額」という特例です。二世帯住宅を建てる際など、親子でお金を出し合うことがあるかと思いますが、その負担割合を決める際に、この特例を考慮するかどうかで将来の相続税が変わってくることもあります。

ちなみに、マイホーム取得後にかかってくる固定資産税の特例を最大限に使うために、【区分登記】という登記を選択する場合がありますが、その場合この特例は使えません。

今回は、将来の相続税までも考慮したマイホーム計画作りのコツについて見ていきましょう。



 1.小規模宅地等の減額


相続税の仕組み

相続税は一般的に、上記で説明した【基礎控除額】を超える財産を取得した場合に、相続開始日の翌日から10月以内に申告納税をしなくてはなりません。対象となるのは、現金や預金、株や投資信託などの有価証券のほか、土地や家屋、保険など様々な財産です。

税率は10%~55%までの累進税率です。





小規模宅地等の減額特例とは?

「小規模宅地等の減額特例」とは、亡くなられた方(被相続人)のお持ちであった土地が、事業用・貸付用に使っていた宅地であったり、居住用に使っていた宅地の場合、土地の評価を最大で80%減額することができる特例です。

居住用宅地の場合、330㎡までの部分について、宅地の評価を80%減額できます。例えば宅地の評価が本来2000万円だった場合、1600万円減額して400万円として評価できる特例です。

ただこの特例は、一定の要件を満たしてはじめて受けられます。その要件のうち、「その宅地を相続したのは誰か?」という点が一番のポイントとなってきます。


このほかに、被相続人と生計を一にしていた親族が被相続人の生前、被相続人名義の宅地を自分のマイホーム用に使っており、被相続人が亡くなった後、その宅地を相続して相続税の申告期限まで所有して自分のマイホーム用に使い続けた場合も、この特例の対象となります。

配偶者以外の方が相続した場合は、相続税の申告期限までにその宅地を売却してしまうと、この特例の恩恵が受けられませんので注意しましょう。

また相続税の申告書を提出しないと、この特例は受けられません。この特例を受けることで相続財産額が【相続税の基礎控除額】(前述)以下になったとしても、相続税の申告書を提出するのを忘れないようにして下さい。




 2.二世帯住宅に関連する税金


二世帯住宅の登記

二世帯住宅を取得した際の登記には、以下の3種類があります。




固定資産税・不動産取得税の軽減はどうなる?

第10回コラムで見たように、マイホームを取得すると色々な税金がかかってきますが、そのうち【固定資産税】については、固定資産税評価額が1/6(200㎡以下の部分)または1/3(200㎡超の部分)となる軽減措置があります。【区分登記】をすると、2戸の住宅と判断されるため、それぞれの世帯でこちらの軽減を受けられます。

【不動産取得税】についても一定要件を満たすと、課税標準額から1200万円控除してもらえる措置があります。こちらの措置も【区分登記】の場合、それぞれの世帯で受けられます。

【固定資産税】【不動産取得税】だけを考えると、断然【区分登記】のほうが良さそうに見えます。しかし上述した【小規模宅地等の減額】においては、【区分登記】した二世帯住宅については対象となりません。
建てる面積、相続税がかかるかどうか、誰が相続するか・・・等、各ご家庭によって、どの登記方法を取るのがベストなのかは異なります。

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今回は、相続税を考える上で欠かせない【小規模宅地等の減額】と、二世帯住宅の【登記方法】や【固定資産税・不動産取得税の軽減】について見ていきました。マイホーム取得時に、将来の相続税までを考慮して資金計画を立てることの大切さについて気付いて頂けたのではないでしょうか。

【小規模宅地等の減額】は特に、大変難解な特例です。二世帯住宅をご検討の方はもちろん、そうでない方でも将来の相続税が心配な方は、税理士などの専門家にご相談されることをオススメします。